第16回「はたらく人にありがとう」メッセージ授賞式は、東海労働金庫の主催により行われ、寄せられたメッセージ作品が朗読と表彰を通して紹介されました。朗読は、東海ラジオでパーソナリティーを務める神野三枝さんが担当し、落ち着いた声で作品の情景や思いを丁寧に伝えていました。読み進むにつれ、家族へ向けた言葉や働く人への感謝がまっすぐに響き、聞き入る家族の中には思い出が重なったのか、そっと涙ぐむ姿も見られました。
続く表彰では、受賞者の名前が一人ずつ紹介され、会場には穏やかな拍手が広がりました。登壇した受賞者の表情には、言葉にした思いをまっすぐ届けようとする姿勢がにじみ、会場がその気持ちを静かに受け止めている様子が感じられました。式典の最後には受賞者全員が前に集まり、記念撮影が行われました。柔らかな空気の中で笑顔が並び、参加者にとって心に残る催しとなりました。
後方エリアにはロールバックチェアを用いて、観覧者や関係者が全体を見渡しやすいよう段差のある座席を活用しました。会場の高さと広さを活かした配置により、どの位置からもスクリーンの文字や朗読者の姿が視認でき、表彰の場面もスムーズに追うことができます。
各エリアは導線が重ならないように分けられており、受賞者が前方に移動する際も観覧者の視界を妨げない流れが保たれました。落ち着いたレイアウトのなかに式典らしい緊張感があり、朗読と表彰が一つの場で無理なく進行できる構成となっています。
朗読の時間になると、会場にはやわらかな静けさが広がり、読み手の声がすっと届く落ち着いた空気に包まれました。朗読席は正面スクリーンのそばに設けられ、映し出される文字と語りのリズムが自然に重なり合い、作品の世界にそっと寄り添えるような環境が整えられています。
照明は明るさを抑えて保たれ、読み手の表情や声の抑揚がふわりと浮かび上がるように会場が整えられていました。語りが始まると、来場者はその声に引き寄せられるように耳を傾け、一つ一つの言葉を大切に味わうような穏やかな時間が流れました。
朗読を中心に進むこのひとときは、式典のなかでも特に心が落ち着く場面であり、会場全体が作品の温度を共有するやさしい時間となりました。